研究課題/領域番号 |
26430054
|
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
後藤 恵 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 特任教授 (50240916)
|
研究分担者 |
梶 龍兒 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (00214304)
森垣 龍馬 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 特任助教 (70710565)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | ジストニア / 神経病理 / 機能解剖 / 線条体 / パーキンソニズム / ストリオソーム |
研究実績の概要 |
1.ヒト剖検脳パラフィン切片に応用可能な高感度免疫組織化学法を開発した (Front Neuroanat 2015; 9, 1-10)。この手法を用いて、正常患者の線条体コンパートメント構造におけるドパミン受容体サブクラスの発現パターンを同定した(投稿準備中)。また、X連鎖ジストニア・パーキンソニズム (XDP; DYT3ジストニア)患者の剖検脳を解析し、線条体アセチルコリン作動性神経細胞でのドパミンD2受容体の発現が低下してることを見出した。これは、ジストニア発現における線条体コリン過剰仮説と符合するものと考え現在投稿準備中である。 2.パーキンソン病モデルマウスにおいてc-Abl阻害薬の全身投与がパーキンソン症状を完全に正常化することを薬理行動学的に示した。生化学的解析では,線条体神経細胞内においてc-Abl阻害剤がCdk5-Y15のリン酸化を抑制することでCdk5活性を低下させ、これがDARPP32-Thr75の脱リン酸化を促進することを示した。 3.パーキンソン病モデルマウスでのL-DOPA誘発性ジスキネジアの発現に線条体ストリオソームに豊富に存在するolfactory type G-protein alpha subunitのproteasomal degradationが関与していることを見出した(投稿準備中)。 4.DYT1ジストニアのモデルであるTorsinA遺伝子改変マウスにおいて、線条体ストリオソームでのmu-opioid受容体の発現異常があることが判明した(投稿準備中)。 5.DYT3ジストニアのモデルマウス作成およびNeuropeptide Yの治療効果に関する研究については、現在モデル作成の条件設定を行っている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
XDP患者の病理解析については計画予定に従って良好に進んでいる。 動物実験では、さらにサンプル数を増やす必要がある。
|
今後の研究の推進方策 |
これまでの研究を継続し、成果は随時公開発表する。 さらに、これまでの研究計画に加えて、XDP患者の大脳基底核神経ネットワークの機能異常解析の研究を企画している。
|