急性局所虚血に対し,成長因子プログラニュリン(PGRN)は,PGRNノックアウトマウスを用いた実験で,TDP43の細胞質への異常局在を抑制すること,ミクログリアにおけるIL-10を介した抗炎症作用,そしてVEGF抑制を介した血管保護作用を含む,さまざまなメカニズムにて脳保護効果を有することを明らかにした.さらにラット自家血血栓を用いた脳塞栓モデルにおいて,組織プラスミノゲン・アクチベーターとPGRNの併用は,脳梗塞サイズ,浮腫サイズ,出血量を有意に抑制した.PGRNは神経細胞保護,血管保護,抗炎症効果を併せ持つ,これまでにない脳保護薬になる可能性が示唆された.
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