研究課題
本研究は線虫C. elegansのLED光源曝露によるその影響と光老化に焦点をあてた研究である。LED光源の中でも、特に青色LEDの曝露に絞り線虫の寿命に与える影響を検討したところ、優位に寿命が短くなった。野生株であるN2以外に、寿命変異体と呼ばれるdaf-2、daf-16変異体においても同様に寿命は短くなる傾向であった。このことは特に青色LEDだけに見られる傾向であった。すなわち、青色LEDによる何らかの影響によるものであると示唆される。そこで青色LED曝露による線虫の活性酸素種とカタラーゼ活性を測定したところ僅かではあるが上昇が認められた。このことは酸化ストレス障害によるものであると考え、次に、青色LED光源曝露による遺伝子発現に着目してマイクロアレイによる影響の解析を試みた。24時間での遺伝子発現の比較では青色LED照射による遺伝子発現の差を決定付けられる遺伝子候補は明白ではなかったが、青色LED曝露後48時間のRNAによるマイクロアレイ解析の結果、触感覚神経に発現するmec-4や神経系カルシウムセンサーとして機能すると考えられるncs-1遺伝子の高発現が見られ、それら遺伝子発現を定量的RT-PCRにより再度検証を行ったところmec-4、ncs-1遺伝子共に約2倍近くの発現上昇を認めた。このことは感覚神経で感知した光刺激は線虫C. elegansにとってはストレスと認識し、感覚神経から運動神経への情報伝達を行なっているものと推測される。そこで青色LED照射中の線虫の行動解析をトラッキングアッセイにより観察すると、暗闇でのコントロールに比べ明らかに行動範囲が狭まっていた。したがって、青色LEDの曝露では、線虫C. elegansでの活性酸素を上昇させ、その結果行動を抑制するものと考えられた。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 3件)
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