筋萎縮性側索硬化症(ALS)における小胞体ストレス応答(UPR)の重要性を明らかにする為、UPRのセンサーATF6αを欠損したATF6(-/-)マウスとALSマウスを交配し、表現型の変化を観察した。その結果、ATF6(-/-)×ALSマウスではALSマウスに比べてALS発症時期が有意に早まったが、生存期間については両者で差は認められなかった。更に、前者では後者に比べてより早期から運動神経線維に変異蛋白質の集積を認める一方、ATF6欠損によりミクログリアを介した脳内炎症は減弱することが明らかになった。以上より、時期、細胞特異的なATF6の発現調節がALSの病態制御に重要であることが示唆された。
|