研究課題
170-H2Oで脳内循環を画像化することは困難であったため、蛍光色素を用いた解析を進めた。脳内循環と血管を蛍光二重標識し、さらにホルマリン固定した大脳皮質を平板化および透明化することにより、組織切片を作製することなく、脳内循環を3次元的に解析する手法を確立した。また、βアミロイドの蛍光色素を予め投与することにより、脳内循環、脳血管、βアミロイド集積のすべてを3次元画像として解析することも可能となった。これらの手法を用いて、大脳皮質の血管周辺に集積する脳脊髄液の蛍光を指標として脳内循環を評価したところ、局所性脳傷害が大脳皮質の広範な領域において、脳内循環の不全を引き起こすことが明らかとなった。すなわち、脳表面の血管周辺における脳脊髄液の蛍光は脳傷害後も維持される一方で、貫通血管周辺の蛍光は著しく減少した。脳内循環の不全がβアミロイドの蓄積に与える影響を検討するために、アルツハイマー病モデルマウスに脳傷害を作製したところ、脳組織回復直後(傷害後1-2週間)の損傷周辺部位ではβアミロイドの減少が見られたが、その後、数ヶ月に渡り、損傷を受けた大脳半球においてβアミロイドの増加傾向が見られた。このことは、脳内循環の不全が長期間にわたり、βアミロイドの集積を加速する可能性を示唆している。
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