酸素の安定同位体17Oで標識された水を造影剤としたMRIにより脳脊髄液と脳組織間液の流れ(脳内循環)を画像化する方法を開発するとともに、局所性脳傷害が脳内 循環に与える影響を検討した。その結果ガドリニウム錯体を造影剤とした場合は脳内循環が画像化されたが、17O-H2Oでは困難であった。脳脊髄液と血液の間における水の交換が予想以上に大きく、脳脊髄液に投与した17O-H2Oが速やかに血液中に排出されてしまったと考えられる。このため、蛍光色素を用いて脳内循環の評価し、大脳皮質の局所に作製した閉鎖性脳傷害は、急性期において広範な脳内循環の 不全を引き起こし、βアミロイドを加速する可能性が示唆された。
|