ラット小脳顆粒細胞-分子層介在ニューロン(籠細胞、星状細胞)間のグルタミン酸作動性シナプスにおいて記録される興奮性シナプス後電流(EPSC)は、顆粒細胞軸索(上向性線維)の2回パルス刺激(30-100ミリ秒間隔)に伴い、2回目EPSCの振幅値と減衰時定数(τ)が増大する。ペアパルス増強の発現機構を検討する過程で、Gi/o共役型受容体が仲介するシナプス前抑制には、EPSC減衰時間の減弱の有無により区別される、複数の様式が存在することを発見した。本研究では、シナプス前抑制にこうした多様性が生み出されるメカニズムを追究した。
|