研究課題/領域番号 |
26430097
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研究機関 | 公益財団法人実験動物中央研究所 |
研究代表者 |
千々和 剛 公益財団法人実験動物中央研究所, その他部局等, 研究員 (70642180)
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研究分担者 |
宮城 洋平 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), その他部局等, その他 (00254194)
砂河 孝行 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教 (40418637)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | インタラクトーム / 分子標的薬 / PDX |
研究実績の概要 |
神奈川県立がんセンターより提供されたがん手術検体より樹立したPDX株よりアンメットメディカルニーズの高い大腸癌・膵癌・肺癌転移症例や骨肉腫やGISTなどの希少がんを選択しNOGマウス皮下に移植したPDX/NOGモデルを本年度やく20症例作成した。これらは十分に腫瘍が増大したのち全RNA抽出しインタラクトーム解析行った。大腸癌症例のうち臨床的に分子標的薬を投与されている症例3症例について検討したところ、VEGFA-VEGFR-2相互作用やEGF-EGFR相互作用の強さとその相互作用をターゲットとしている分子標的薬の臨床的効果はよく相関していた。また食道癌脳転移症例よりのPDX/NOGモデルのインタラクトーム解析結果では強いEGF-EGFR相互作用が観察され、同PDX/NOGモデルを用いてEGFR阻害剤のin vivo投与実験を行ったところ有意に腫瘍縮小効果が見られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
解析結果を比較検討するために症例が比較的豊富である大腸癌や肺癌転移症例から実施し、10例ほどの解析が終了している。特に大腸癌は分子標的薬の良い適応であることより、臨床経過やin vitro抗がん剤感受性試験などとのデータの比較が可能である。また、希少がんについては症例数が限られるため、PDX/NOGモデルと細胞株化したモデルとで相互作用の違いを検出するために、現在GISTなどの細胞株化を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
現在のところPDX/NOGモデルの樹立に3-6ヵ月、インタラクトーム解析に1-2ヵ月必要とする。臨床応用するためにはより速く、かつインタラクトーム解析に適したPDX/NOGモデルを樹立するように条件を検討する必要がある。またインタラクトーム解析においても異なる相互作用間の比較においていわゆる基準値となるデータを算出するためにより多くの症例を蓄積する必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
東京医科歯科大学にて行っているインタラクトーム解析の機器の更新やアルゴリズムのバージョンアップのため本年度上半期程度インタラクトーム解析が行えなかった。現在順番に解析開始し結果も出てきているが、一部は年度内に解析実施することができなかったため、その費用やRNA材料の抽出試薬等の購入数が予定数を下回ったため予定使用額との差が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
現在インタラクトーム解析は順次解析実施しており、本年度実施予定分も来年度合わせて実施する。また、東京医科歯科大学の機器の更新により現在は解析可能件数は増加しており、本年度より多くのPDX/NOGモデルを作成し解析行う予定である。
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