研究課題
進行大腸癌および非小細胞性肺癌症例と分子標的薬の臨床効果を比較し、特に同一症例から複数回PDXを樹立できたものについて、相互作用プロファイルの変化を観察した。とくにVEGFA-KDRとEGF-EGFR相互作用に着目し、BevacizumabおよびCetuximabの分子標的薬の薬効には約1:3の差があることを発見した。さらにEGF-EGFR相互作用と臨床的生命予後との間の相関が示唆された。こられの結果により効果が期待される分子標的薬の選択の助けになる個別化医療システムとなるのみならず、より効果的なVEGF-A阻害剤の開発への応用が期待される。また、PDX樹立不成功例の解析によりLymphotoxin-alphaに関連する相互作用が強く認められ、これらを阻害することにより効果的なPDX樹立につながることが期待される。これらの研究結果はESMO asia 2016およびAACR International Conference on New Frontiers in Cancer Research 2017にて学会発表した(論文作成中)。また、LIMタンパクZNF185の細胞内局在と腫瘍浸潤能との間に相関がみられ、PDXを用いたZNF185関連相互作用解析を進めている(AACR annual meeting 2016学会発表、論文投稿中)。これらの研究成果は癌の個別化医療に十分に対応可能な基盤技術であるが、のみならず糖尿病マウスモデルの改良や新たな慢性型移植片対宿主病マウスモデルへも応用可能である(Biochemical and Biophysical Research Communications 478: 1254-60, 2016論文発表; AACR Advances in Modeling Cancer in Mice 2017投稿中)。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件)
Biochemical and Biophysical Research Communications
巻: 478 ページ: 1254-60
10.1016/j.bbrc.2016.08.104