研究課題
前年度に引き続き、マーモセット脳における血液脳関門開放についての解析を進めた。以前のPETによる解析と同時に進めたrAAVの分布の解析から、マイクロバブルと超音波照射による血液脳関門の開放により、血中に投与したrAAVがマーモセットの脳に非対称に分布していることが確認できていた。今回はrAAVの非対称な分布について再現性を確認した。追加試験においては、rAAVのみをトレーサーとし、rAAVの静脈内投与は超音波照射時のみとした。その結果、頭蓋骨による反射や収束が起こるためか、一部に予想外の位置にrAAVの分布することが確認されたが、血液脳関門が部分的に開放された結果として、rAAVが脳内において非対称に分布した。また、超音波照射後のアルブミンに結合する色素ならびにPETプローブの分布と同様に、rAAVについても海馬に多く検出された。また、昨年度に構築した、てんかんの病態を誘導する、乳児重症ミオクロニーてんかん(ドラベ症候群)の原因として報告されているナトリウムチャンネル遺伝子の優勢阻害変異体(hSCN1A R222X または hSCN2A R102X)をCAGプロモーター下に発現するSelf-complementary AAVベクタープラスミドを用い、神経細胞に親和性の高い血清型9型でrAAVの作製を進めた。同rAAVの作製において手間取ったが、最終的に投与するために十分と思われる量のrAAVを作製することができ、ひきつづき感染能力などの性状評価を進めた。
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