トランスポゾン・ミュータジェネシス法を用いることで、マウス個体レベルでがん原因遺伝子を網羅的に探索できる。本研究では、ミュータジェネシスで同定したグリオーマの原因候補遺伝子の中で、RNA結合タンパクLARP4Bに着目して解析を行った。トランスポゾン挿入変異から、LARP4Bはがん抑制遺伝子として働くと予測された。実際、グリオーマでゲノム欠失や発現低下を認め、予後不良因子であった。さらにLARP4Bの遺伝子導入により、グリオーマの増殖を強く抑制した。 またLARP4Bのノックダウンにより腫瘍形成が促進された。以上から、 LARP4Bがグリオーマの新規がん抑制遺伝子であることが明らかになった。
|