研究課題
ヒト癌で見い出されたRac1変異によるがん化メカニズムにおいてDOCK1が重要な制御因子として働いていることを様々ながん種の細胞株を用いて明らかにするとともに、それが、DOCK1によるinvadopodia形成、およびマクロピノサイトーシスを介していることを明らかにした。また、前年度に同定したDOCK1選択的阻害化合物のin vivoでの薬効を様々な系を用いて検討し、該化合物がメラノーマの肺転移を強く抑制することを実証した。
1: 当初の計画以上に進展している
ジーンターゲッティング、CRISPRを用いたDOCK1の遺伝的欠損、およびDOCK1選択的阻害化合物を用いた薬理学的手法により、DOCK1が、がん細胞の浸潤およびマクロピノサイトーシスを介した細胞生存において必須の因子であることを証明できた。また、化合物改変によって得られたリード化合物について、in vivo試験に適した溶媒条件を見い出し、実際に、マウスメラノーマ細胞の肺転移を強く抑制することを実証できた。よって、当初の計画以上に順調に研究が進展していると言える。
DOCK1選択的阻害化合物によるin vivoでの制がん効果を、様々ながん種を用いて検討し、その薬効の適用拡大を検討する。また、さらなる化合物改変によって、選択性および阻害活性の亢進を図る。研究成果を論文として公表するとともに、HPやマスメディアを通じて広く国民に発信する。
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Nature Communications
巻: 6 ページ: 8820
10.1038/ncomms9820