ALCAM (CD166)は、がん幹細胞 (CSC)と間葉系幹細胞 (MSC)に共通して高発現することが知られるが、その機能的役割については未だ明らかでない。本研究では、ALCAMについて分子生物学的、腫瘍生物学的、免疫学的、病理学的な手法を駆使して多面的に解析し、その結果、単にCSCやMSCの目印であるだけでなく、がん細胞の幹細胞性や免疫逃避、免疫抑制性細胞群の免疫抑制活性などを制御する機能分子であることから、ALCAM標的阻害療法は、がん進展に有利に編集された免疫環境をリプログラムして、抗腫瘍免疫を効果的に誘導できることを明らかにした。今後、臨床治療への応用を目指す。
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