HTLV-1感染ヒト化マウスではATL様病態発症過程が既に認められており、その中で発現誘導が確認されているAPOBEC3B遺伝子の誘導機構を明らかにすることを目的とした。 ヒト化マウスへの初期感染時ではTax発現と共にAPOBEC3Bの発現上昇が観察されたのに対し、腫瘍形成過程での持続感染時ではAPOBEC3Bの発現誘導はTax発現とは関係なく、Tax以外のウイルス産物の関与が考えられた。またHAM患者検体と健常人との比較結果よりAPOBEC3B発現が抑制されていたことから、抗HTLV-1感染応答等の誘導によりAPOBEC3Bの発現誘導が認められ、宿主遺伝子の変異が蓄積されると示唆された。
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