本研究により、癌化シグナルによって発現量が増加する長鎖ノンコーディングRNA, PANDAが、DNA損傷時における癌抑制タンパク質p53の安定化を促進する機能を持つことが明らかとなった。発現解析の結果、PANDAはヒト骨肉腫細胞で高発現していることが分かった。ヒト骨肉腫細胞U2OSにおいて、PANDAをノックダウンすると、細胞増殖が顕著に抑制された。その作用機序として、PANDAはCDKインヒビターp18の転写抑制を介して、細胞周期のG1期を促進し、細胞増殖を正に制御することが明らかとなった。本研究により、将来的にPANDAは癌治療薬の分子標的になりうることが考えられた。
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