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2016 年度 実績報告書

HTLV-1 HBZタンパク質によるストレス応答シグナルの撹乱

研究課題

研究課題/領域番号 26430128
研究機関徳島文理大学

研究代表者

大島 隆幸  徳島文理大学, 薬学部, 准教授 (10397557)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードHTLV-1 / HBZ / 発がん / ウイルス / ユビキチン / 翻訳後修飾 / ヒストン修飾 / 生体防御
研究実績の概要

ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)は成人T細胞白血病(ATL)や HTLV-1 関連脊髄症の原因となるレトロウイルスであり、特に ATL は発症後その半数が1 年以内に死亡する悪性度の高い疾患である。これまでに、ATL 患者由来の T 細胞に例外なく発現するウイルス由来因子として HTLV-1 bZIP factor (HBZ) が同定されており、HBZ こそが ATL 発症に必須な因子であると推測されている。我々は、HBZ の宿主細胞内での生理機能を明らかにすることを目的として研究を行なった。その結果、HBZ はヒトセントロメアに存在し、染色体の構造形成に関与する CENP-B と相互作用することを見出した。HBZ と CENP-B はそれぞれ互いの中央領域を介して相互作用し、HBZはCENP-B の二量体化には影響を及ぼさなかったが、CENP-B の DNA 結合能を顕著に抑制することを見いだした。さらにHBZ は 、CENP-B 依存的なヒストン H3K9 のトリメチル化修飾亢進能を強力に阻害することが明らかとなった。
またHBZ は、ポリユビキチン化を担う酵素 cullin 型 E3 ユビキチンリガーゼの 1 つである Skp1/Cullin 1/ F-box (SCF) 複合体の構築にかかわる因子として知られるcullin1 (CUL1 )と相互作用することを見出した。HBZ は CUL1 と相互作用することで、この機能を抑制することで、SCF 複合体の基質の安定化に寄与することを見出した。その作用機構の詳細を解析した結果、HBZ が CUL1 と相互作用することにより、CUL1 と Skp1 との結合を阻害することが明らかとなった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Enhanced stabilization of MCL1 by HTLV-1 bZIP factor is modulated by blocking the recruitment of Cullin1 to the SCF complex.2016

    • 著者名/発表者名
      Risa Mukai, and Takayuki Ohshima
    • 雑誌名

      Mol. Cell. Biol.

      巻: 36 ページ: 3075-3085

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Molecular mechanisms of HBZ-mediated MCL1 stability in HTLV-1 infected cells2017

    • 著者名/発表者名
      Risa Mukai and Takayuki Ohshima
    • 学会等名
      18th International Conference on Human Retrovirology HTLV and Related Viruses
    • 発表場所
      Tokyo
    • 年月日
      2017-03-07 – 2017-03-10
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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