研究課題
がんにおけるEZH2の発現を調節するシグナルの解明に関しての解析が進行した。EZH2発現調節機構としてキナーゼを中心としたEZH2発現調節シグナルを明らかにするために、ルシフェラーゼ上流にEZH2プロモーターつないだコンストラクトを大腸がん細胞株に導入し、EZH2プロモーター活性に影響を与える分子を同定する系を構築した。710種類のキナーゼに対するsiRNAライブラリーを用いてスクリーニングを行った。1種類のキナーゼに対して3つのsiRNAが設計されており、3種のsiRNAのうち2種類以上で共通してEZH2の発現を変化させるキナーゼを12種同定した。そのうちのWee1遺伝子は数種類の大腸がん細胞株において、EZH2の発現に影響を与え、同時に細胞増殖抑制作用を示すことが明らかとなった。現在さらにその機序について解析を行っている。
2: おおむね順調に進展している
平成26年度予定のEZH2の発現を調節するシグナルの解明に関しては順調に進んでいる。EZH2の新規機能とリン酸化解明については進めることができなかった。反対に、27年度に使用予定であったEZH2の様々なコンストラクトはほぼ完成しており、今後の進展は期待できる。
平成27年度解析予定の短いEZH2に関する予備実験は26年度から行っており、コンストラクトは完成している。これらの実験系を用いて新規の短いEZH2の機能解析を目指す。また、EZH2発現に関わるキナーゼを1種類同定することができた。このキナーゼによるEZH2の発現制御の解析と阻害剤のスクリーニングに取り掛かる。
今年度予定していた質量分析がサンプル調整が間に合わず不可能であったため、やむを得ず実験の予定の変更を行ったため。
平成27年度にはEZH2の切断部位の同定に関しては質量分析によるC末解析が必須であり、サンプルの調整ができ次第実行する予定である。
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