ヒストン修飾酵素のうちEZH2は多くの悪性腫瘍で高発現しており、特に悪性度に関わることが知られている。本研究では大腸がんにおいてEZH2発現を制御しているリン酸化酵素同定を試みた。大腸がん細胞株でEZH2プロモーター活性をアッセイ可能なスクリーニングシステムを構築した。既知ヒトリン酸化酵素709種を標的とするsiRNAライブラリーを用いてスクリーニングを行い、そのうち大腸がんで発現の高いIKBKEを同定した。複数の大腸がん細胞株でIKBKE遺伝子のノックダウンや、阻害剤の投与でEZH2発現が抑制された。IKBKEが大腸がんでNF-κB経路を介してEZH2過剰発現をきたしていることを示した。
|