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2014 年度 実施状況報告書

初代3次元培養ヒト大腸癌における癌細胞の極性転換機構とがん転移への関与の解明

研究課題

研究課題/領域番号 26430138
研究機関地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター(研究所)

研究代表者

奥山 裕照  地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター(研究所), 研究所, 研究員 (50432373)

研究分担者 井上 正宏  地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター(研究所), 研究所, 部長 (10342990)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード大腸癌 / 3次元培養 / 極性 / Src / dynamin
研究実績の概要

ヒト大腸癌初代培養スフェロイド(CTOS)での極性転換の基礎的検討
浮遊培養とゲル培養での極性状態のちがい:さまざまな極性分子(villin, ZO-1, Par3, atypical PKCなど)の免疫染色を行い、培養条件による極性転換の様式の違いを確認した。極性転換のTime course:極性転換、および逆方向の転換、つまりゲル培養から浮遊培養に移した際の極性転換 (Reversion) の時間経過を詳細に検討した。
包埋するゲルの違いによる影響:type I collagen, Matrigel (basement membrane like), Hyaluronan gel, fibronectin gel, laminin gel, type IV collagenなどを試し、極性への影響を検討した。Polarity assayの確立:ゲル培養の時間は48時間で固定した。極性の状態を調べる方法は、formalin-fixed paraffin包埋後、切片を作成し、villin (apical marker)の免疫染色する方法でCTOSによるpolarity assayの系を確立した。
臨床検体のヒト大腸癌の組織を用いた極性転換の存在証明
まずHE染色にて脈管侵襲した腫瘍塊を探索し、villinなどのapical markerと脈管のmarkerのCD31やD2-40との二重染色にて、ヒト体内でapical out状態の存在を明らかにした。10症例を検索し、血管内に浮遊する腫瘍塊、血管壁に着床した腫瘍塊、血管壁から間質に浸潤した腫瘍塊など、様々な脈管侵襲における極性状態を二重染色で検討した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初の計画ではヒト大腸癌初代培養スフェロイド(CTOS)での極性転換の基礎検討と臨床検体のヒト大腸癌の組織を用いた極性転換の存在証明を平成26年度の計画にあげており、現在2つのテーマともに結果が出ており、さらに平成27年度以降に計画を予定していた極性転換の分子機構の解明と極性転換を制御する分子の機能解析の一部の結果も出始めており、きわめて順調に進展している。このペースでいけば、平成27年度中に1報目の論文報告もできそうである。

今後の研究の推進方策

極性転換の分子機構のさらなる解析を進めることを今後の方策とする。とくに新たな極性転換に関与する遺伝子の網羅的解析を中心に進める。具体的には、すでに臨床検体から樹立したCTOSライン10症例分を用いて、浮遊培養とゲル培養での極性転換の有無を確認する。極性転換するCTOSと極性転換しないCTOSに分類し、microarrayを行い、網羅的遺伝子解析によって極性転換の新たな原因遺伝子の候補をいくつか同定する。つづいて、候補遺伝子それぞれについて下段の機能解析をin vitro, in vivoで行う。Primary tumorの検体でもvalidationを行う。さらに、これらの候補遺伝子と従来の極性分子との関連についても免疫沈降法などを行い、物理的相互作用がないか検討する。

次年度使用額が生じた理由

本年度はin vitroの実験が多く、免疫不全マウスを用いたin vivoの実験が少なかったため、当初予定額より少なくなった。来年度以降は免疫不全マウスを用いたin vivoの実験、および網羅的解析による大量のin vitro実験を予定していることから来年度により多く使用することになった。

次年度使用額の使用計画

引き続き、CTOS培養における消耗品や免疫不全マウスを用いたin vivoの実験に研究費を使用する予定である。またなんらかの分子に注目し、その遺伝子をノックダウンするためのsiRNAなどの購入に充てる予定である。

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公開日: 2016-05-27  

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