がんは遺伝子の病気であると共に環境からの強い影響をうけて起こる疾患である。近年肥満状態は穏やかな慢性炎症というべき環境を形成しており、そこからがんが発生してくる機序が注目されている。そこで本研究では、高栄養培地での培養を行った培養細胞や、高栄養摂取により肥満状態にしたマウスで、DNAメチル化などのエピゲノム変化が発がん過程を説明しうる様な頻度で起こりうるかの検証を行った。その結果、培養細胞レベルの実験で高糖質培地/高脂質培地での長期間培養により、その栄養条件によってDNAメチル化状態に変化が起きうることを明らかにした。動物個体レベルでも同様の実験と測定を現在も継続して行っている。
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