研究課題
がんは、発生要因が多様で不均一、かつ形質変動も伴うため、化学療法で一度退縮が見られても薬剤耐性化により再発・進行してしまう場合がある。そこで本研究では不均一性が特に高い卵巣がんを対象に、種々の抗がん剤が、個々のがん細胞に与える変動を解析することで、感受性を維持し悪性度の低い状態に長く留めるためのオーダーメード投薬法を導き出すストラテジーの開発を目的とする。昨年度に引き続き、性質の異なる複数の卵巣がん細胞、種々の抗がん剤を用いて、薬剤耐性化した細胞を複数得た。その結果、耐性が得やすい細胞・薬剤に傾向が見られた。得られた耐性細胞に対し、耐性化した薬剤との併用で種々薬剤を処理したところ、相乗効果が得られる組み合わせを見出した。また、耐性細胞に対して種々薬剤処理をし、新たな耐性克服薬剤選出の検討も行った。
3: やや遅れている
産休・育休に入っため、その分後ろ倒しとなっている。
今後は耐性が得られた細胞・薬剤の傾向を解析するとともに、耐性細胞における変動を測定・比較する。また、相乗効果が得られる耐性細胞x薬剤の組み合わせにおいても、同様の解析を行う。以上の結果を考えあわせることにより、耐性克服薬と考えられるものについて、再度継続処理を試み、悪性度の低い状態に留められるか検討する。
産休・育休取得により研究を一時中断したため。
研究を中断した分、期間を延長するが、使用計画は変更なし。
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Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry
巻: accepted ページ: accepted
10.1080/09168451.2015.1132152
The Journal of Organic Chemistry
巻: 80(24) ページ: 12333-50
10.1021/acs.joc.5b02256