研究課題
【小細胞肺癌由来CTCの遺伝子発現の解析】当初計画していたISET法ではCTCの回収とその後の十分なDNA回収を行うことはできなかった。そのため当初の計画から変更し、単核球分画からRNAを抽出しCTC由来遺伝子発現の解析を行った。小細胞肺癌12例の末梢血単核球分画からRNAを抽出し、RT-PCR法にて遺伝子発現を解析した。小細胞肺癌に特異的に発現するpreproGRP遺伝子は12例中8例で検出できた。この8例では単核球分画内にCTCが存在するものと考え、単核球分画由来RNAを用いて、神経内分泌関連および上皮間葉移行関連、血管新生関連の遺伝子発現を検討した。その結果、上皮間葉移行関連遺伝子発現を検出することができ、単核球分画由来RNAを用いてCTC関連遺伝子発現が可能であることが示唆された。本研究は、現在マイクロアレイを用いた網羅的遺伝子発現解析を行っており、その結果を含めて論文発表する予定である。【次世代シークエンサーを用いた循環血中微量DNAの遺伝子異常解析】前年度に、肺癌患者から回収された循環血中微量DNAから次世代シークエンサーを用いた遺伝子変異解析が可能であることを示した。本年度は、さらに循環血中微量DNAから腫瘍由来遺伝子変異を検出できる症例の臨床病理学的特徴を明らかにする検討を進めた。剖検を得られた小細胞肺癌4例を対象に、剖検で複数の病変臓器から抽出されたDNAと死亡前2週間以内に得られた循環血中微量DNAを用いてLung Cancer Panel (QIAGEN社)で解析した。循環血中微量DNAで検出できる遺伝子変異は、複数の病変臓器に共通して存在しallele frequencyが有意に高かった。この結果は、本研究にて計画されていたものではないが、研究の過程で新たに得られた知見である。他の研究者からは同様の成果は報告されておらず、現在論文投稿中である。
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