がん(悪性腫瘍)は日本人の死亡原因の第1位で、約1/3を占めている。このがんで死に至るケースのほとんど(9割)で、がん転移を起こしていることが知られている。原発巣での外科治療や化学的療法によるコントロールに成功しても、最終的に転移巣が大きくなって予後不良となる。がん転移を早期に発見する有効な手段はほとんどなく、簡便で低コストかつ効率よくスクリーニングする方法が求められている。 がん転移は、上皮性のがん細胞が、より運動性の高い間葉系細胞の表現型を獲得する上皮間葉転換(EMT)がきっかけとなる。このEMTを誘導した乳がん細胞を用いて、がんの転移のバイオマーカー候補である代謝物を発見した。
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