研究課題/領域番号 |
26430144
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
荒金 尚子 佐賀大学, 医学部, 准教授 (20321846)
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研究分担者 |
佐藤 明美 佐賀大学, 医学部, 研究員 (20568357)
中村 朝美 佐賀大学, 医学部, 助教 (90457490)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | EGFR T790M / plasma DNA / metastasis / mouse model |
研究実績の概要 |
1.ヒト肺がん転移モデルマウスにおける転移形式と腫瘍細胞由来血漿遊離DNAとの関連 上皮間質転換(EMT)表現型をスクリーニングとして用い、肺がん細胞株 H1975とH226Bについて皮下移植を行い転移形式について検討した。H1975細胞を皮下移植すると全体の93%で転移を認めたが、中でもリンパ節に高頻度(79%)に転移した。一方、H226B細胞を皮下移植すると全例肺転移を認めた(論文作成中)。前者をリンパ行転移、後者を血行性転移の系として、現在、原発巣と転移巣とのDNA変異、蛋白リン酸化の比較を行っている。リンパ行性転移については、原発巣と比べ、転移巣でリン酸化を認めた数種の分子を同定した。 2.次世代EGFR-TKI投与後の腫瘍由来血漿遊離DNAの変動 上記転移モデルマウスを用いて次世代EGFR-TKI処理を行い、原発巣、転移巣のモニタリングを行った。H1975にルシフェレース発現プラスミドを導入し、H1975-lucを作成した。経時的に、腫瘍容量、転移頻度をin vivoイメージングシステムで解析可能になった。さらに、血漿遊離DNAを継時的に採取し、腫瘍由来血漿遊離DNAの変動解析の準備を行っている。また、上記動物モデルを用いて次世代EGFR-TKI耐性株を抽出している。耐性株を用いた耐性化機構の解析と、腫瘍細胞由来遊離DNAへの反映について検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本学でin vivoイメージングシステムが導入され、ルシフェレース発現細胞株H1975-lucの作成ができたことが達成理由と考える。
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今後の研究の推進方策 |
1.ヒト肺がん転移モデルマウスにおける転移形式と腫瘍細胞由来血漿遊離DNAとの関連:表記項目について前年度からの研究を続行する。リンパ行性転移、血行性転移をきたす2つのモデルについて転移嗜好性をきたす主要分子の検索を、DNA、蛋白レベルでの網羅的解析を行う。解析で得られた分子について血漿サンプルで同定可能か検討する。 2.次世代EGFR-TKI投与後の腫瘍由来血漿遊離DNAの変動:表記項目について前年度からの研究を続行する。 3.ヒト肺がん転移モデルマウスが転移を標的とした新規薬剤のスクリーニング系として有用であるか:次世代EGFR-TKIに加え、MET阻害剤についてもこの転移モデルを用いて抗腫瘍効果について検討する。
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