研究課題
1.ヒト肺がん転移マウスの作成と転移の経時的変化:高度免疫不全マウス(NOJマウス)を用いて検討した。T790M、L858R変異を有するヒト肺がん細胞株H1975を、NOJマウスに移植しヒト肺がん転移(同種)を再現したモデルマウスを構築し、転移頻度、部位を確認した。2.腫瘍細胞由来血漿遊離DNA量と腫瘍容量、転移頻度との相関:上記転移モデルマウスを経時的に解剖し、腫瘍容量、転移頻度及び、MBP-QP法を用いて血漿遊離DNA中T790M、L858R変異量との相関を検討した。腫瘍容量増加、転移頻度の上昇に伴い、腫瘍細胞由来血漿遊離DNA検出頻度は上昇した。以上の結果より、腫瘍細胞由来遊離DNAは、腫瘍進展と共に血中に出現する事が明らかになった。3.ヒト肺がん転移モデルマウスにおける転移形式と腫瘍細胞由来血漿遊離DNAとの関連:肺がん細胞株 H1975とH226Bについて皮下移植を行い転移形式について検討した。H1975細胞を皮下移植すると全体の93%で転移を認めたが、中でもリンパ節に高頻度(79%)に転移した。一方、H226B細胞を皮下移植すると全例肺転移を認めた。前者をリンパ行転移、後者を血行性転移の系として、原発巣と転移巣とのDNA変異、蛋白リン酸化を比較した。リンパ行性転移については、原発巣と比べ、転移巣でリン酸化を認めた数種の分子を同定した。4.第3世代EGFR-TKI投与後の腫瘍由来血漿遊離DNAの変動:上記転移モデルマウスを用いて次世代EGFR-TKI処理を行い、原発巣、転移巣のモニタリングを行った。H1975にルシフェレース発現プラスミドを導入し、H1975-lucを作成した。経時的に、腫瘍容量、転移頻度をin vivoイメージングシステムで解析可能になった。
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