前立腺がんの診断には前立腺特異抗原(PSA値)が用いられるが、グレーゾーンといわれる検出範囲、4-10 ng/mlには良性疾患患者が7割も含まれ、不必要な針生検が行われているのが現状である。そこで、前立腺がん患者血清由来ハプトグロビン(Hpt)とIgGからがん特異的な糖鎖修飾ペプチド抗体を作製し、多項目同時測定が可能なマルチプレックスビーズ結合抗体検出法の開発を行た。前立腺がん患者、良性疾患患者、健常者間の血清HptおよびIgGの糖鎖修飾量を比較した。その結果、前立腺がん特異的に糖鎖構造が変化し、がん患者を識別できる可能性を示した。前立腺がんの針生検を必要としない確定診断法の可能性が示された。
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