本研究では、プロホルモン変換酵素群(PCs)の機能を指標に、プロテオミクスを駆使し、腫瘍マーカー候補となる生理活性ペプチド前駆体タンパク質を見出すことを計画した。小細胞肺癌をはじめとした各種がん細胞株ならびにがん患者の臨床検体を用いて、遺伝子発現及びエクソーム解析により、各PC遺伝子の発現、配列ならびにコピー数を明らかにした。これらのデータベースはプロテオーム解析に向けた基盤となる。さらに、臨床検体の遺伝子発現とコピー数データを用いて、オンコジン64遺伝子を含むがん関連遺伝子820種に対する発現亢進と増幅を認めたケースを抽出し、腫瘍マーカーあるいは創薬候補となるドライバー遺伝子を見出した。
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