当研究室によって見出された大腸癌で増大している膜タンパク質群に関して、siRNAによるノックダウンを用いて機能的スクリーニングを行うことにより、大腸癌細胞株の増殖、浸潤に関与する2種のタンパク質を見出した。 小胞体タンパク質であるSIGMAR1は小胞体ストレスの調節を介して癌細胞の増殖を制御している可能性が示唆された。グルタチオン代謝関連タンパク質であるGGT5はそのノックダウン効果が大腸癌細胞に特異性が高く、正常細胞の増殖を阻害しないことから、大腸癌治療の標的候補となることが示唆された。以上の結果から、これら2種の膜タンパク質は大腸癌に対するバイオマーカーとなる可能性が考えられた。
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