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2015 年度 実施状況報告書

新しい方法による標的mRNA切断を応用した新規抗腫瘍核酸医薬の開発

研究課題

研究課題/領域番号 26430157
研究機関新潟大学

研究代表者

成田 美和子  新潟大学, 医歯学系, 准教授 (30281009)

研究分担者 梨本 正之  新潟薬科大学, 健康・自立総合研究機構, 教授 (30228069)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワードヘプタマーsgRNA / 腫瘍細胞 / HL-60 / NB4 / WT1
研究実績の概要

tRNAはDNAから転写されるが、転写された直後のtRNA前駆体には、その3’末端に成熟tRNAには見られない伸長配列が存在する。tRNA前駆体3’末端の伸長配列がtRNase Zなどのエンドヌクレアーゼによって除去されることにより成熟tRNAとなる。tRNase Z によるtRNA前駆体の切断に関するメカニズムとその標的mRNA切断への応用については、我々の共同研究グループ(代表:梨本正之)が明らかにした。今回の検討の目的は、ヘプタマーsgRNAを用いて腫瘍抗原等のmRNAを阻害する方法が、各種の腫瘍細胞に対する治療法として応用可能であることを明らかにするとともに、sgRNAによるmRNA切断法を効果的に応用できる腫瘍抗原等の分子を選択し、かつsgRNAの最も効果的な塩基配列を決定することである。臨床応用に関する検討いついては、白血病をはじめとする腫瘍細胞の培養系およびマウスゼノグラフトモデルを用いて行っている。数種類の白血病細胞株に対するヘプタマーsgRNAの有効性をin vitroとin vivoで確認することができ、26年度には梨本らが論文報告した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

sgRNAの腫瘍細胞のapoptosis誘導効果は、代表的な造血器腫瘍細胞株である急性前骨髄球性白血病細胞株HL-60、多発性骨髄腫細胞株RPMI8226、慢性骨髄性白血病赤白血病型急性転化細胞株K562において再現性のある抑制効果が認められた。その他の白血病細胞株として数種類試みたところ、急性前骨髄球性白血病由来のNB4において、WT1-sgRNAによってHL60同様の有意な結果が得られた。実際の白血病細胞株を用いた検討では明らかな抑制効果を確認するに至らず、混合培養条件を再検討中である。

今後の研究の推進方策

培養条件を整理し、前年度の目標に準じて、標的白血病細胞株をさらに増やし、sgRNAによる腫瘍細胞増殖抑制効果を追求する。また、複数のsgRNA を用いることによる、相乗効果の有無を検討する。

次年度使用額が生じた理由

培養条件の再検討中であり、当研究室での新たなsgRNAの作成は28年度に行う方針になったこと による。

次年度使用額の使用計画

共同研究者らによってゼノグラフトモデルにおける有効性が確認され、sgRNAによる各種腫瘍細胞の細胞増殖抑制およびアポトーシス誘導についての検討を、主にin vitiroの系でさらに追求する。
各種の白血病細胞株に網羅的に腫瘍関連抗原のsgRNAを新しく開発し、sgRNAを添加培養した白血病細胞の当該遺伝子のmRNA発現の阻害を確認するとともに、Western blottingとフローサイトメトリーを用いて、培養細胞の当該タンパク発現の阻害を確認する。MTTアッセイによる細胞増殖の抑制やAnexin V/7AAD染色した培養細胞を解析することにより、sgRNAを介したアポトーシスの誘導について確認する。

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公開日: 2017-01-06  

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