研究課題/領域番号 |
26430161
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
曽根 崇 金沢大学, 医薬保健学総合研究科, 特任准教授 (30420334)
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研究分担者 |
笠原 寿郎 金沢大学, 医学系, 准教授 (30272967)
木村 英晴 金沢大学, 医学系, 助教 (40444202)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | EGFR遺伝子変異陰性 / エルロチニブ |
研究実績の概要 |
EGFR チロシンキナーゼであるエルロチニブは、EGFR 遺伝子変異の非小細胞肺癌に対して約80%の高い奏効率を示すが、EGFR 遺伝子変異が陰性の患者に対しても一定の奏効率(約10%)を認める。EGFR 遺伝子変異が陰性でもエルロチニブの奏効する患者群を抽出するためのバイオマーカーを同定するために本研究を立案した。EGFR 遺伝子を有さないがエルロチニブに感受性を示す肺癌細胞株を次世代シークエンスで解析し、薬剤感受性と関連する遺伝子異常を同定する。申請者らが既に実施したエルロチニブの効果を検討する臨床試験の付随研究で使用した腫瘍細胞から抽出し二次利用目的に保存したDNA を用いて、基礎研究で同定した遺伝子異常が臨床上のエルロチニブの効果予測因子となるか検証する。 次世代シークエンスにより全ゲノム解析は費用および腫瘍由来DNAの残量より困難と判断したため、先行してエルロチニブの効果を検討する臨床試験の腫瘍組織を用いて有力なoncogeneの遺伝子増幅を先行して解析した。EGFR遺伝子増幅、c-Met遺伝子増幅、K-ras遺伝子変異について測定し、臨床効果との関連を解析した。 EGFR遺伝子変異はCappuzzoらの定義により判断し57例中20例で増幅を認めた。c-Met遺伝子増幅はコピー数4以上を増幅ありと判断し56例中11例で増幅を認めた。K-ras遺伝子変異は52例中12例で陽性であった。これらのバイオマーカーではc-Met遺伝子増幅陰性群でエルロチニブの病勢制御率が高く、無増悪生存期間が長い傾向を認めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
次世代シークエンスによる全ゲノムシークエンスが費用面から困難であったため、臨床試験の腫瘍組織を用いたバイオマーカー解析を先行して行った。平成27年度には細胞株および腫瘍組織を用いた次世代シークエンスによる解析が行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
先行して行った腫瘍組織のバイオマーカー解析からはc-Metと関連するシグナル経路がエルロチニブの効果と関連することが示された。今後、基礎実験として、エルロチニブに対し中等度感受性細胞株および初期耐性細胞株に対し次世代シークエンサーを用いて遺伝子異常を解析する。 基礎研究で同定された遺伝子異常を臨床試験「EGFR 遺伝子変異陰性の進行再発非小細胞肺癌に対するエルロチニブの有効性を検討する第II 相試験」において収集された腫瘍組織のDNA を用いて行う。同定された遺伝子異常が、臨床試験で評価されたエルロチニブの抗腫瘍効果および生存期間の効果予測因子としての有用か検証する。
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