研究課題
自治医科大学附属病院にて「CD19特異的キメラ抗原受容体発現Tリンパ球を用いた難治性B細胞性悪性リンパ腫に対する遺伝子治療臨床研究」を遂行中である。これまでに3例の非ホジキンリンパ腫患者を登録した。被験者の末梢血を採取し、院内の細胞プロセシング室にてCAR-T細胞を作製した。CAR遺伝子導入効率は、CAR遺伝子導入効率は~50%で、全例で1 x10 e6/kgの輸注予定細胞数を得ることが可能であった。品質試験を行った後に、1例についてシクロフォスファミドによる前処置化学療法の後にCAR-T細胞の輸注を行った。輸注day14にQ-PCR法により末梢血中のCAR-T細胞を確認した。FDG-PETにより一時的な病変の縮小を認めたが、効果不十分と判断しかつ十分なCAR-T細胞が得られていたため、2回目の細胞輸注を行った。2回目の輸注ではday 5に末梢血中にday 28に骨髄中にそれぞれCAR-T細胞が確認された。研究計画書に基づき、採取した輸注前後の末梢血検体を調整し保存している。被験者の末梢血中のCAR-T細胞の動態をQ-PCRにてモニタリグを完了しており保存検体を用いた疲弊化および老化分子についての検討を行った。
3: やや遅れている
H27年11月に「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」に即した提供計画の提出に関する経過措置期間が終了した。我々は、新たに研究計画書を提出し、H28年2月25日に厚労大臣から同計画書の承認を得た。この間、臨床研究が中断となったため、解析対象の患者検体が十分に得られなかった。
解析対象の患者検体が十分に得られていないことが、課題のひとつであるため、現在臨床研究計画書の見直しを行っている。安全性に十分配慮しながら、被験者の登録基準等の変更により、実現可能な計画とする予定である。現在まで得られている臨床検体に加え、通常の化学療法や造血幹細胞移植施行患者から得られた検体についても解析対象とし、さまざまな治療を受けた造血器腫瘍患者におけるT細胞の疲弊化および老化関連分子の解析を行う。特に最近、注目されている養子免疫療法における用いるために適切な細胞を見いだすことを目的として、T細胞サブセット別の解析を加える予定である。
解析対象の患者検体が十分に得られていないことから、研究が遅れているため。
臨床研究計画の見直しにより、患者登録が増加する見通しである。今後、予定されている解析が行われる予定であることからH27年度分の使用額をH28年度に回すことにした。
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