本研究では、新規乳癌関連蛋白質として同定したEphA10に対する抗体医薬の開発を目指し、その機能を明らかにし、抗腫瘍効果機序と起こりうる副作用の解析を目的とした。 本観点から、まず、乳癌細胞におけるEphA10の役割を解析した。その結果、本受容体はがん細胞を増殖される機能を有しており、独自に樹立した抗EphA10抗体は、CDC活性や中和活性により抗腫瘍効果を発揮していることが推定された。また、正常組織におけるEphA10の機能を解析したところ、交配能力に影響を与えないものの、精巣重量やテストステロン量を低下させる可能性を提示した。さらに、臨床応用に向けて、ヒト抗体候補を取得することができた。
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