研究課題
<尾ビレ再生時の脱分化細胞で特異的に発現する遺伝子のスクリーニング>本研究課題では、ゼブラフィッシュ尾ビレ再生時に観察される脱分化機構の解明を研究目的としている。この目的を達成するため、翻訳リボソーム親和性精製法を用いることにより、脱分化細胞で特異的に発現する遺伝子を次世代シークエンサーにより単離し、脱分化に機能する遺伝子を明らかにする事を目指している。本年度は、脱分化細胞をGFP蛍光でラベルするため、elongation factor 1a (ef1a)遺伝子のプロモーターで、EGFP-ribosomal protein L10a(EGFP-rpl10a)遺伝子をコントロールさせたトランスジェニックフィッシュ(Tg[ef1a:EGFP-rpl10a])を作製した。このトランスジェニックフィッシュの再生芽から、GFP蛍光を指標にして脱分化細胞を集め、再生芽の脱分化細胞特異的に発現している遺伝子を次世代シークエンサーにより網羅的解析を行った。その結果、切断前後で2倍以上発現に差がある遺伝子を132種類得る事に成功した。<新規尾ビレ再生制御機能の解析>私達は、ゼブラフィッシュ尾ビレ再生過程における脱分化は、Mechanistic target of rapamycin complex 1(mTORC1)により制御される事を新たに見出した。更にこのmTORC1は、インスリン様成長因子1受容体・ホスファチジルイノシトール3キナーゼ経路及びcanonical Wnt経路の下流に位置する事を明らかにした。更に私達は、mTORC1に制御される因子・遺伝子の探索を行った結果、アミノ酸シグナルの抑制、V-ATPaseの阻害により、mTORC1の活性化が抑制され、アミノ酸シグナルの活性化により、mTORC1が活性化されることを明らかにした。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)
Biology Open
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