本研究は、62年間に渡って暗闇で継代されたショウジョウバエ系統(暗黒バエ)を用いて、環境適応の分子メカニズムを明らかにすることを目的とした。 暗黒バエのゲノム多型(SNP)を同定するために、次世代シーケンサーを用いて全ゲノム配列を決定し、約22万のSNPを同定した。暗闇適応に関わるSNPを同定するために、暗黒バエと野生型ハエを混合した集団を明所と暗所で継代した。SNPを指標とした集団ゲノムの解析から、暗所で選択されるゲノム領域を絞り込み、暗闇適応に関わる候補として84遺伝子を同定した。暗黒バエのSNPを野生型ハエに導入するために、ゲノム編集技術を用いて遺伝子ノックイン法の確立を目指した。
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