本研究はクロロフィル蛍光を指標としたケミカルスクリーニングを行い、高温による光合成電子伝達阻害を緩和する化合物の同定を目指した。高温ストレス下で光合成の低下を大幅に緩和する化合物は得られなかったが、非ストレス条件下で光合成電子伝達を強力に阻害する2つの化合物を得た。これらの阻害活性は濃度依存的であること、化合物の構造的に類縁なアナログまたは部分構造を持つ化合物もまた同程度に光合成阻害活性を示すこと、アナログとの競合実験から構造上活性に必要な部位が予想されたこと、1つの化合物は光化学系IIそれ自身を阻害しており、もう一つの化合物は光化学系IIの下流(系Ⅰなど)が阻害されていることを明らかにした。
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