研究課題
酵素反応データとして標準データベースであるKEGG・BRENDA等を利用し、化学構造データとしては網羅的な化合物データベースであるPubChemデータベースを利用して、基質・生成物の2項関係をもとに、独自の酵素反応データベースを構築した。データベース間の化合物と化学構造の関連付けにおいては、化合物名による検索と同時にIUPAC名を化学構造に変換するシステムを構築することで、計3万程度のエントリを作成した。また、本データベースのウェブサーバを構築し、酵素反応の妥当性について、反応の方向性・遺伝子配列の有無などを指標にマニュアルでキュレーションを実施し、各酵素反応についてスコア付けを行った。さらに、酵素反応の基質・生成物の選択性に関する知識を各種のデータから総合的に判断していくために、配列解析による生物種・遺伝子解析、酵素活性依存度の解析、補酵素要求性などの酵素そのものに関する生物情報解析に加えて、化学構造・反応の類似度比較といった化学情報解析をもとに、各特徴について数値化を行った。これをもとに、任意の基質・生成物ならびに化合物ペアに対して酵素遺伝子を選択していく上で、スコア関数を定義した。また、生物・化学情報解析により、既知データ以外にも推定データを含めた酵素反応データの拡張を行い、ユニークな酵素に対しても新たな情報を付加した。こうした情報基盤を利用して、新たな酵素反応の推定を行った。
2: おおむね順調に進展している
独自酵素反応データベースの構築については、ユーザインターフェースの開発も含めて達成しており、生物・化学情報解析についても概ね順調に進展している。
これまでに開発した要素技術をもとに、酵素反応の選択性と多様性の観点から生物・化学情報解析を進め、任意の基質・生成物ならびに化合物ペアに対して酵素遺伝子を選択していく上での基準を明らかにしていく。
物品購入の際に、若干の差額が生じたため。
最終年度のため、差額が生じないように使用する。
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