研究課題
1. 核内レセプター様転写制御因子Pdr1による薬剤排出機構:2014論文発表済2. ヘテロクロマチンタンパク質HP1によるヌクレオソーム安定化機構:ヘテロクロマチンタンパク質は様々なエフェクター因子群と結合することでヘテロクロマチン高次構造を形成し領域内の転写反応を抑制する。分裂酵母FACT(Spt16/Pob3/Nhp6複合体)のプロテオミクス解析からSpt16とHP1/Swi6が強力に結合することを見出し、Spt16とHP1/Swi6の結合様式を試験管内で解析した結果、Swi6のクロモシャドウドメインとSpt16のN末端領域が静電的に結合することを見出した。細胞内でSwi6の染色体上への局在はH3K9meに依存する場合と依存しない場合の二つのケースが存在するが、どちらのケースにもSpt16への依存は無く、つまりSwi6の染色体への結合が上流因子、FACTのSwi6への結合が下流因子であることが明らかとなった。加えてSpt16のN末端欠損変異とpob3欠損変異の二重変異体では分裂酵母株の生育に大きな遅延が生じること、またヒストンH3K9メチル化酵素やHP1存在下においてもメチル化ヒストンH3K9が大きく減少し、ヘテロクロマチン形成が大きく損なわれることが明らかとなった。以上の結果はヒストンH2A/H2Bシャペロン活性を持つSpt16を染色体上につなぐ要素は少なくとも二つ存在しており、一つはSpt16N末端とSwi6の結合、もう一つはSpt16とヘテロダイマーを形成するPob3に依存していると推測される。3. 転写制御因子Fip1によるヒストン遺伝子転写制御機構:FACTのプロテオミクス解析からFip1と同時にHP1/Swi6を結合因子として同定した。それに引き続きHP1/Swi6のプロテオミクス解析を行って相互作用因子群を単離した。単離された因子群は解析進行中である。
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Transcription
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