強調すべき新たな成果は以下の3点である。MCM2-7複合体形成に及ぼすMCM4変異の影響については、がん細胞由来の変異が他MCMとの相互作用の変化を通じて複合体形成に影響を与えること、さらに細胞レベルの実験から、変異MCM4の存在がDNA複製に影響を与えることが示された。複製タンパク質の集合については、MCM相互作用因子の多くが、保存性の高いMCM box内に結合することが分かった。その活性によりMCM機能を制御すると考えられる。MCM4のアミノ末端領域は、ヘリカーゼ機能に必要であること、さらに、その領域におけるCDKによるリン酸化がMCM複合体の不安定化を招く可能性を示した。
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