Fpr1/FKBP12は、薬剤ラパマイシンとの複合体の形で栄養環境に対する細胞応答の司令塔TORC1複合体に結合し、その活性を阻害することでリボソーム構成因子の合成を抑制するが、薬剤のない生理的状況でのリボソーム生合成への関与は不明であった。本研究で我々は、リボソーム構成因子の協調的産生に関わる出芽酵母HMO1の遺伝子破壊との合成致死変異としてFPR1の変異を同定するとともに、ChIP-seq解析、及び変異型プロモーターを用いた解析から、Fpr1がリボソームタンパク質遺伝子プロモーターに、その主要転写因子であるRap1に依存的に結合し、共に転写を促進するという全く新しい役割を解明した。
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