細胞が分裂する際、ゲノムDNAは種々のタンパク質とともに「分裂期染色体」の中に収納され娘細胞へと伝達される。染色体の基本構造単位はコアヒストンの8量体にDNAが巻きついたヌクレオソームであるが、この構造が染色体構築にどのような貢献をするのか殆どわかっていない。この根源的な疑問を解くために、本研究では、精製タンパク質やカエル卵抽出液を使って試験管内で染色体を作るという独自の方法を考案した。解析を行った結果、ヌクレオソームがなくても染色体の中心となる軸構造が作られるものの、よりコンパクトな染色体が作られるにはヌクレオソームとコンデンシンの協調的作用が不可欠であることが明らかになった。
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