Caポンプは細胞質ドメインの触媒部位でATPを加水分解し、膜ドメインの輸送部位にてCaを輸送する。本研究では、これらのドメインをつなぐM2ヘリックスの構造的役割について部位特異的変異を用いて調べた。結果は、M2の細胞質部分M2m、膜部分M2c、M2c-細胞質ドメイン間のループの各々が、特異的反応段階にて機能を持ち、細胞質ドメイン-膜ドメイン間の構造変化の伝達を可能にすることを示した。またM2m-M2c連結部分のGly105は、リン酸化中間体から内腔へのCa放出段階にて、細胞質ドメインの大きな動きに伴うM2の歪みを吸収することによって正常なCa-gatingを起こさせることを示した。
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