研究課題
RFC複合体の結晶のクオリティ改善に向けて:MPDを主たる沈殿剤とした条件にてRFC複合体の結晶化を行った。結晶化ドロップ作成時のタンパク質とリザーバー溶液の混合比を、従来の1:1に加え、それ以外の条件で種々試した。その結果、タンパク質:リザーバー=2:1で結晶化を行うと、より大きな結晶を得られる確率が高い上、ハーベスト溶液中での安定性も比較的高くなることが分かった。今後、ヌクレオチドソーキングや脱水処理により高品質化が達せられる可能性がある。SeMetラベル化PCNAの大量発現と結晶化:RFC-PCNA-DNA3者複合体結晶構造の重原子同型置換法による構造解析を見据え、SeMet化PCNAの大量発現を行った。Met要求性では無く、通常の大腸菌を用いても、十分にラベル化された組換え体PCNAを大量に調製できることが分かった。さらに、精製したラベル化PCNAの結晶化を試みたところ、結晶構造解析に有用と期待される単結晶を得ることが出来た。今後、SeMet化PCNAのSAD法による結晶構造解析を行う予定である。
2: おおむね順調に進展している
RFC複合体の高分解能構造解析に向けて:結晶化条件の詳細な検討により、従来よりも安定な結晶を得ることに成功した。したがって、この新たな結晶を用いることにより、高品質化に向けた研究は想定していたよりもスムーズに進行すると期待される。SeMetラベル化PCNA:本年度はラベル化PCNAの発現および精製条件の検討が行えれば良いと考えていたが、予定よりも単結晶を得ることに成功した。
RFC複合体の高分解能結晶構造決定に向けて:新たに得られた安定なRFC複合体結晶を大量に調製し、高品質化に向けた結晶成長後のハーベスト条件(脱水法など)をより広範に検索する。SeMet化PCNAの結晶構造解析:X線回折データ収集および構造解析計算を行い、PCNAに取り込まれたSeMetが構造解析に有用であること、および野生型PCNAと本質的に同じ立体構造を有していることを確認する。RFC-PCNA-DNA3者複合体結晶化に向けて:複合体形成のカギになると考えられるテンプレート/プライマーDNAの長さについて十分に検討を行う。また、3者複合体を安定に保つために重要なATPアナログについては、これまで用いていたATPγSより有用となりうるアナログ化合物を探索する。RFCおよびPCNAの大量精製を行い、微量ゲルろ過システムにより、複合体形成条件を広範かつ緻密に検索する。
RFCおよびSeMet-PCNAの結晶化実験が想定していたよりも順調に進行したため。
RFC-PCNA-DNA3者複合体再構成に必要な合成オリゴDNAについて、当初の予定よりも用いるDNAの種類を増やし、より広範な再構成条件検討を行う予定である。
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