脳で主に発現している水チャネルAQP4の構造と機能相関を解明するために、二価カチオンである水銀と脱炭酸酵素阻害剤でもあるアセタゾラミド(AZA)がそれぞれ結合した状態を極低温電子顕微鏡像を用いて立体構造解析を決定した。水銀は細胞質側、AZAは細胞外側から特異的に阻害できることを明らかにできた。水銀結合型では、結合位置を原子レベルで特定できなかったが、結合サイトを含むループDのコンフォメーション変化が引き起こされないことがわかった。AZA結合型では、AZAの立体配置まで特定できなかったが、ポアを塞ぐ位置で結合し水透過を抑制していることがわかった。更なる分解能向上が創薬へ向けての鍵である。
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