研究課題
本研究は、トリパノソーマ原虫のエネルギー生産に必須な酵素であり、アフリカ睡眠病の薬剤標的タンパク質であるトリパノソーマのシアン耐性酸化酵素(TAO)とグリセロールキナーゼ(TGK)と薬剤のリード化合物との複合体の結晶構造を明らかにし、その酵素の活性部位への結合様式に注目して、より実用的な薬剤候補となる阻害剤の開発を目的としている。以下に本年度及び研究全体の成果を示す。・研究全体を通じて、アスコフラノンと違う骨格をもつ新規のTAO阻害剤フェルレノールを見出し、TAOとの複合体の結晶構造を2.7Å分解能で決定した (投稿論文準備中)。また、TAOとアスコフラノン(アスコフラノン誘導体の結晶構造はすでに得られていたが)との複合体の結晶構造を2.8Å分解能で決定した。・研究全体を通じて、TGKの様々な化合物 (基質や生成物)との複合体の結晶構造を明らかにし、TGKの酵素反応メカニズムについての成果をまとめて論文にすることができた(Balogun EO et. al. Mol Microbiol., 94, 1315-1329, 2014)。・最終年度は、TGKの新規阻害剤であるinh-7 (GK-17)の改良型の化合物GK-17bを見出した。また、これらの化合物はTAOも同程度の強さで酵素反応を阻害することを見出した。・最終年度は、TGKとinh-7 (GK-17)及びGK-17bとTGKの複合体の結晶構造を分解能2.9と2.5Å分解能で明らかにすることができた。また、分解能が3.5Åと低いが、inh-7とTAOとの複合体の結晶構造を明らかにすることができた。
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