顆粒結合型デンプン合成酵素I (GBSSI: granule-bound starch synthase I) は、植物デンプンのアミロース生合成に関与する生化学上重要な酵素である。GBSSIの基質認識機構をX線結晶構造解析により明らかにするため、イネのGBSSIの大腸菌による大量発現系を用いてGBSSIの調製を行い、生産物であるアミロースの部分構造を持つマルトオリゴ糖との複合体の立体構造決定を試みた。GBSSIには2つのドメインがあり、触媒反応部位はドメインの間の窪みに存在し、近傍のフレキシブルなループが伸長するデンプンの結合部位であることが示唆された。
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