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2014 年度 実施状況報告書

アルツハイマー病治療のためのエクソソーム様スフィンゴ糖脂質含有リポソームの創出

研究課題

研究課題/領域番号 26440041
研究機関北海道大学

研究代表者

湯山 耕平  北海道大学, 先端生命科学研究科(研究院), 特任助教 (80415546)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードエクソソーム / アルツハイマー病 / スフィンゴ糖脂質
研究実績の概要

ニューロン由来エクソソームによるAbetaクリアランスがスフィンゴ糖脂質(GSL)糖鎖依存的に起こること、また、エクソソーム投与によりマウス脳内Abeta濃度が減少することを確認している。これらの結果からAbeta結合能力の高いエクソソームを検索し、含有GSLを分析することでアルツハイマー病治療用リポソームが作製できる可能性がある。平成26年度は、Neuro2a細胞およびマウス大脳皮質から調整した初代培養細胞(ニューロン、ミクログリア、アストロサイト)の培養液中エクソソームの質量分析によるGSL解析を行った。その結果、Neuro2aに関しては、細胞およびエクソソームそれぞれから約20種類のGSLが検出され、さらに細胞と比較してエクソソームには多量のGSLが含まれていることがわかった。また、シアル酸が結合したGSL分子種(ガングリオシド)がエクソソームに特に多く含まれていた。初代培養細胞に関しては、ニューロンエクソソームに、グリアエクソソームと比較して多量のGSLが存在することがわかった。またガングリオシドは特にニューロンエクソソームに多く含まれていた。さらに初代培養由来エクソソームを蛍光標識しチャンバースライドに接着させた後、Abetaを添加して両者の結合を観察したところ、ニューロンエクソソームにのみAbetaの結合が確認された。グリアエクソソソームへはAbetaの結合が見られなかった。エクソソームでは細胞と比較してGSLが集積していることから、膜表面でAbeta結合に関与するGSLクラスターが形成されやすい状態であると考えられる。また、脳細胞から放出されるエクソソームでは、ニューロンエクソソームのみがAbetaとの結合能力を保持している可能性が示唆される。来年度からのリポソーム作製に関しては、ニューロンエクソソームのGSL分子種、濃度を参考に行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画調書に記載した平成26年度の研究計画がほぼ完了し、27年度研究計画の実施のめどがついたため。

今後の研究の推進方策

26年度の研究がほぼ予定通り遂行されたので、27年度は研究計画調書に記載した計画を進めていく予定である。具体的にはAbetaクリアランス用リポソームを作製し、疾患モデルマウスを用いた脳内等や実験を開始する予定である。

次年度使用額が生じた理由

26年度購入物品として予定していたナノパーティクル解析装置が研究施設共有機器として使用可能になり、購入の必要がなくなったため。

次年度使用額の使用計画

26年度研究成果により当初の予定より多種類のリポソームを作製し機能を検討する必要が生じたため、27年度にリポソーム作製のための成分脂質および、機能解析のための培養用試薬、実験動物の購入費に充てる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2015 2014 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] A potential function for neuronal exosomes: sequestering intracerebral amyloid-β peptide.2015

    • 著者名/発表者名
      Yuyama K., Sun H., Usuki S., Sakai S., Hanamatsu H., Mioka T., Kimura N., Okada M., Tahara H., Furukawa J., Fujitani N., Shinohara Y., and Igarashi Y.
    • 雑誌名

      FEBS letters

      巻: 589 ページ: 84-88

    • DOI

      10.1016/j.febslet.2014

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Decreased Amyloid-β Pathologies by Intracerebral Loading of Glycosphingolipid-enriched Exosomes in Alzheimer Model Mice2014

    • 著者名/発表者名
      Yuyama K., Sun H., Sakai S., Mitsutake S., Okada M., Tahara H., Furukawa JI., Fujitani N., Shinohara Y., Igarashi Y.
    • 雑誌名

      Journal of Biological Chemistry

      巻: 289 ページ: 24488-24498

    • DOI

      10.1074/jbc.M114.577213

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 神経細胞由来エクソソームのアミロイドbeta蛋白質除去効果2014

    • 著者名/発表者名
      湯山耕平, 孫慧, 五十嵐靖之
    • 学会等名
      第1回日本細胞外顆粒学会
    • 発表場所
      グランドプリンスホテル広島(広島県広島市)
    • 年月日
      2014-08-28 – 2014-08-30
  • [学会発表] アミロイドbeta蛋白質代謝におけるスフィンゴ糖脂質含有細胞外顆粒エクソソームの役割2014

    • 著者名/発表者名
      湯山耕平、孫慧、古川潤一、篠原康郎、五十嵐靖之
    • 学会等名
      第33回日本糖質学会
    • 発表場所
      名古屋大学(愛知県名古屋市)
    • 年月日
      2014-08-10 – 2014-08-12
    • 招待講演
  • [備考] 北海道大学プレスリリース

    • URL

      http://www.hokudai.ac.jp/news/140818_pr_pharm.pdf

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公開日: 2016-05-27  

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