微生物型ロドプシンは、色素レチナールを内包する膜タンパク質である。レチナールの光吸収をきっかけとして、複数の構造の異なる中間体を経由する光反応サイクルを周り、この間にイオンの膜輸送や光情報伝達を行う。本研究では、外向きにNa+を輸送するNa+ポンプ型ロドプシン(NaR)の機能解析を行い、以下の成果を得た。1)タンパク質表面へのカチオン結合が暗状態の構造を変調し、光反応初期に出現する中間体を決定する。2)NaRのNa+取込みと放出が、O中間体の生成・崩壊に同期して起こることを、Na+濃度変化の直接観測から明らかとした。
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