リゾホスファチジン酸(LPA)は脂質メディエーターとして、様々な細胞応答を制御する。本研究では、LPA産生酵素PA-PLA1βの遺伝子欠損(KO)マウスが精巣や精嚢の形成不全を生じるという知見を元に、関与するLPA受容体やLPAシグナルの機能する細胞種の同定を目的とした。LPA6受容体KOマウスにおいて一部のマウスで精巣が小さくなる異常を示すこと、組織形態学的には精原細胞の脱落が生じることを見出した。LPA6受容体のmRNAは、新生仔マウスのセルトリ細胞とライディッヒ細胞に局在していた。本研究の結果、既報のLPA1-3受容体とは異なる雄性生殖器におけるLPAの機能が示された。
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