本研究ではスフィンゴ糖脂質代謝・輸送に影響を及ぼす因子の網羅的な同定を目指して、shRNAライブラリーを用いた志賀毒素耐性スクリーニングを行った。その結果グルコシルセラミド合成酵素等、志賀毒素受容体Gb3の生合成に必須な遺伝子が濃縮された。ただしセラミド合成酵素の一種CERS2のshRNAに関してその効果はオフターゲットであり、ゲノム編集法でCERS2変異株を作製し、志賀毒素に対する耐性がほとんどないことを確認した。一方これら変異株のスフィンゴ脂質生合成を解析したところ、糖脂質がスフィンゴミエリンと比較し極長鎖セラミドを積極的に利用するメカニズムが存在すると考えられた。
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