SDF-1αによる血小板膜を介するシグナル伝達機構の解明を目的として、脂質ミクロドメインである脂質ラフトの関与について解析を行った。SDF-1αはAkt活性化と血小板凝集を惹起した。Akt活性化はCXCR4アンタゴニストAMD3100およびAkt阻害剤 MK-2206で抑制された。SDF-1αによるAkt活性化および血小板凝集は、メチルβシクロデキストリン前処理でラフトを破壊すると阻害された。ショ糖密度勾配遠心法によりCXCR4は脂質ラフト画分に存在することがわかった。以上のことから、SDF-1αは脂質ラフトを介してPI3キナーゼ/Akt経路を活性化し血小板凝集を引き起こしていると考えられた。
|